愛の詩/僕
私は愛の歌を聴くと苦しくなる。
あなたに触れて、唇を交わし。永遠に抱きとめる――
私は知らない。愛する方法も愛される方法も
なのに涙が流れるのはどうしてだろう
心のどこかで知っているのだろうか
母の愛とわずかな父の愛しか知らぬ私でも
卑しい私の遺伝子の底でソレを知るものがあるのだろうか
そう思うと救われる
私は愛を知っているのだ
例え記憶に無いのだとしても、私を構成するものは知っている
指先も、唇も、私のすべてが知っている
今は誰も触れてはくれないけれど
わずかにも私は救われる
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