野生の花/フミタケ
枯れてしまった花を詰め込んだ
荷物を背負って
帰るんだ
うちへ 帰るんだ
野生の花が咲くまちへ
いつか大切だった本が
ホコリの中に埋もれてる
無為に費やした
たくさんの
愛しさと
日々
夕闇に消えていった
小さな夢
もう面影さえ
思い出せないものもある
それらすべては
虹の彼方へ
紫や
青や
白
黄色や
色を変えて
僕の頭の中に
霧がただよってる
時々そこに
見え隠れする光を
追いかけていこう
もっとよく
耳を澄まして
僕らしく振る舞おう
笑われてもいいや
どちらにしろ楽じゃない
この想いは
君のものでもいい
君の歌でもいい
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