タイプを打つおんな/
狸亭
タイプライターのキーボード
整列したアルファベット
やわらかい白い指が舞う
日にゆれて互いに感応
華麗な音楽を奏でる
ぼくの瞳に映っている
あれは懐かしい愛の夢
そしらぬ顔のきみを眺め
動きまわる小さな指の
はかないリズムが遠い日の
一杯のオレンジジュース
甘い悲しみを呼びもどす
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