Born To WIn [カラスパナ]/プテラノドン
 

そんなことはどうだっていい。僕らはその言葉を
ありとあらゆる口調で発音した。
「で、お前はダニィに何をあげるつもりだい?」
僕の顔に煙草の煙を吹きつけながらジョーイは言った。
「これなんてどうだろう」と、僕は昨日喧嘩した男から
取り上げた、棍棒みたいなスパナを
ダッシュボードから取り出した。
「大佐、これは物騒だぜ」とジョーイは
戦利品を手にした海賊のように、もしくは
ビールジョッキをかかげる海賊のように、スパナを
まじまじと眺めた。僕はそのまま煙草の灰と一緒に
シートに涎をこぼすんじゃないかと心配になる。
「いっぺん、彼女にそれで頭を直してもらうといいよ」
「悪くな
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