繁茂/伊月りさ
 
持て余した
生命力を
持て余す熱が社会を築く
その隅
引っ掛かってしまった
この髪が
縛りつける
遠心力の両足
掻き回す、両腕が
振り回して
そうして
ここに残った言葉なら信じてほしい、と
下げる頭の傷口

わたしの嘘は
巧みだけれど
癖ではないのだよ、と
肩を組みたがる
孤独をちらつかせる連中に
伝わったのなら
滅多に動かない頬が
笑顔を形成することもできるのでしょうが
そんな妥協で糊口をしのぐ
停滞した未来が見える
わたしに
きみが肥料を遣る
わたしは
早く
気づけよ、
わたしは雑草だろう

闊達な足音
追い立てられてしまう
悔しさに歯をたてた
うず潮の摩擦に頭皮は剥がれた

この体じゅうの裂傷を
縫合するきみの
針の
鋭利に託す
何遍でもいい、わたしは
貫かれたい
根こそぎ
枯れたい
よ、どうして
こんなしぶとさを植えつけて
わたしが去るのを遮って
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