赤児と緑児/
小川 葉
ぶるぶるとふるえてる
風もないのに
双葉のような腕を
ふるわせて
僕の息子だ
それはまるで捨てられたように
道端に生える雑草と
何がちがうというのだ
それが僕の息子であることは
間違いがないらしい
ぶるぶるとふるえたのは
父のほうだった
くだをとおる
血液が赤ならば
ふるえる手首のこの未熟さは
いったいどんな色なのだ
褐色の古い写真の
太い腕に抱かれてる
双葉のような腕に巻かれて
父は僕を抱いた
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