ウェストバック/北斗七星
彼は困っていた
タイトルの置き場を探していた
そんなものイスの後ろでもいい
僕はウェストバックを
イスの後ろに押し込んだ
それでは盗まれてしまうと
彼は困っていた
本当に大切なものは
その中には入って無いからいい
と僕は彼に告げた
彼は
でもタイトルは
とても大切なものだからと
あなたのウェストバックと
一緒にされてはと
まだ困っていた
しょうが無いなと
呆れたけれど
彼の気持ちも解らなくは無く
少し可哀想に思った僕は
ふと思いついた
彼の大切なタイトルは
しまって置くように伝え
そのかわりにその場所には
タイトルの代わりに
僕のウェストバックを置いてあげた
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