今村君の詩に勝手にインスパイアされて作った詩/むらさき
 


せぼねを
さかのぼっていきます
四本の
なめられたてのゆびが
いやみなほど
かがやいています

ホロウィッツが
ひとりでうたっています

それよりも大きな
声を出します

一緒にあっちをむきます

後ろすがたが見えています
前すがたも同時に見えています
目があちこちにあるようです
だれか見ているのでしょうか

もはや
げんけいをとどめて
いない ね

まんなかで
二つのからだが燃えています
あかあかと
燃えています
火よりも少し
高い温度で
それらは
たのしそうに燃えています
角度をかえると
すこしさみしそうにも見えます

ひふが
じゃまなのです

それにきづいていないふりをします

抱き合っても
抱き合っても
一度も近付かないのです

生まれなければよかった

そんな気がします
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