「何故人を殺してはならないの?」−「存在の彼方へ」を読んでみる5/もぐもぐ
 
「責任を負うということは、『言いたいこと』が本当は何なのかもう一度考え直すことである」、それがレヴィナスのいう「責任」ではないか、と先に推測した。
「責任」は<語ること>である、とそう本文には記されているが、<語ること>は「語るべきこと」と読み替えれば意味がわからないこともない。
「語るべきこと」は、人に、あることを語り、もしくは語らないことを要求する。最初から人をこのような話者として任命する。一方、責任は再度「背負われる」。人は語ろうとする、若しくは語るまいとする、そうした一瞬の前に、立ち止まってそれをもう一度自問自答しなければならない。
語らなければならない、それと同時に、自問自答しなけ
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