記憶の階段/かいぶつ
快さに
深く感銘を受けられた頃でしょう。
二段目は言葉という能力が開花され
言葉には意思表示の道具という役割だけではなく
森羅万象を認識するための記号にもなり得るという可能性に
意識し始めた頃でしょうか。
継いで三段目、四段目は目覚ましい成長を遂げる幼年期となり
少年期、青年期と輝かしい時代を経て
これは個々によって様々な解釈があるかと思われますが
平均的に五十段を越えた辺りからを
老年期と見なす方がほとんどでしょう。
そして九十段目は、そうです。
あなた様に死が訪れた日となります。
しかしながらこの階段、ただ懐古の情を慰むためだけに
用意された訳ではございません。
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