墓/A-29
 
兵器の使用があり、それから六十年が経過し現在がある。不思議なくらいのほほんとしてある。少なくとも墓の前はのほほんとしていて、やぶ蚊が飛んでいるだけだ。

では、これから六十年後はどうなっているんだろう。環境問題はどう帰結するんだろう。この国の農林水産はどう変わるんだろう。

墓の前には、やはり不思議なくらいのほほんとした空気とやぶ蚊の飛来があるんだろうか。その空気を吸い、蚊に血を吸われしてみたいものだ。
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