愛読者、書/きりえしふみ
仮面をした、まま 僕らは二人
キスした 抱き合った
仮面越しに 互いの熱、を感じながら
も 指先の感触一つ
探り当てることが出来ない 見つけられない
悲しい程 隔てられた
叫びたい程 隔たったところ
で 僕らは
互いに 互いを認識せぬまま 出来ないまま
恋した 互い、に
結び付けられてしまった
互いの握られた手のひらの中 閉じ込められてしまった
好き好んで
『ほうら 君たち こんな感じに 結ばれていますよ』
確かめようにも 触れられない
不確かな 未知数の
見えない 見張りを立てておけもしない!
絆という結び目に 僕ら
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