踊っている天使たちのなかに/渡邉建志
踊っている天使のなかに私はいない私はいない私はいない
いつまでも滑り落ち続ける光ふと鳥の声双子が消える
(網の目のように重ねられる)キス((すり抜けていく私
冷凍用トラックのなか裏声で歌う空はなんて白いんだろう
キープ、キープクロースと呟いて間違って空に消えた恋人
神様の数を数えて(いち、に、さん、)さあ一緒に気を失いましょう
寒空の下みんな集まってご飯を食べよう光取りしよう
この雨に何の意味があるかしらなんて深い夜なんて深い森
手を振って別れた君の左手の香りが僕の右手に残り
寒い朝外へ出
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