sugarmagnolia/水町綜助
ジーパンに足を通す
スニーカーを履いて
アパートのドアを開ける
ひとつの町に住み
その町に射す
乳白色の光の中で
生活をする
カンカンと階段を降りて
ひとのかたちで空気をかき混ぜる
目尻に緑色の葉や
自転車の車輪の照り返しが流れて
町には電車が走り
雑草の茂った公団住宅は川沿いにたち並んで
壁はクリーム色をしてる
夏にはその向こうに
入道雲がみえる
彫刻みたいに
広い道路は目の前を横切って
または目の前からまっすぐに伸びて
どこかで曲がって
どこかに繋がり
どこかで坂を上がっては
気落ちもせず
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