「愚痴」/広川 孝治
その先にはおっきな虹がかかってたはずなんだ
あの道に戻りたいと思っても
もう今は無理だ
時々落ちている石ころを蹴飛ばしながら
舗装された平らで大きな道を
大勢の人影と共に
ただ距離を稼ぐがごとく
小さな歩幅で
淡々と歩く
肩がぶつからないように
足を踏まないように
適度な距離をお互いに保ちながら
どこまで歩き続ければいいんだろ
この果てしなく続くように思える道のり
一歩一歩の繰り返しがあまりに単調に思えてしまって
変わらない景色と変化のない緩やかな上り坂
たどり着いたってどうせ
大した場所に続いてないのはわかってるのに
どこまで
そしていつまで
歩き続ければ良いんだろ
歩き続ければ
良いんだろ
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