真夜中にダンクシュート/木屋 亞万
ラブホテルとカプセルホテルの間に空き地
緑色の針金フェンスが建てられ
雑草除けのコンクリートが敷かれた
そのうち
フェンスは壊され誰かがバスケットゴールを持ってきた
もはや人種職種を判断しかねる日焼けした労働者たちが昼夜問わずバスケをし始めた
掃除婦のおばさん、鳶職の若者、ホームレスのおじさん、
ヤンキー少年、家出娘、スーツ姿の酔っ払いまで
ボールに群がりリングを目指した
僕が生まれたとき学校はすでに
学年で仕切られ、社会は同い年の群ればかり生産していた
部活動を始めたとき群れの幅は3年にまで広がったが
無駄に威張るだけのやつが増えただけだった
顧問も漫画と解説書
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