ベランダから見た空/かいぶつ
うな
どしゃぶり雨に襲われ
鼻水くしゃみにリーチがかかる
僕の体は釘が甘いから
早く帰って髪を乾かさなくちゃ
玄関に着いたころには
僕はもう脱水前の洗濯物みたいで
鼻の奥もすでにムズムズしていた
ガポガポとみっともない
音のする靴を脱いで
バスタオルに包まる
薬缶を火にかけて
カーテンを 開く
雨なんて嘘 と空はつきぬけ
嘘なんて そんな と町が潤い
これは 何の 終わりと 始まり?
それとも 何かの つづき?
(それは ただの 輝き)
コポコポ。
音がして
まさか靴を脱ぎ忘れたのかと
足元を見る
薬缶が笛を吹き
お湯が沸いていたことに
初めて気づく
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