回覧車?/ブライアン
千歳空港から羽田空港までの約一時間のことだ。下降を始めた飛行機の窓から外をのぞいていた。新木場の臨海公園だろう。夜の街に輝く観覧車が見える。その横は真っ暗な海が広がる。観覧車の光は海をわずかにでも照らすことはない。暗闇の海。海は静かに飛行機を迎える。波の音も立てずに。
羽田空港はわずかに雨が降っていたようだった。着陸が少し遅れるとのアナウンスがあった。よい情報ではなかった。昔から乗り物酔いがひどかった。下降する飛行機。胃に溜まってゆく不快感。見えない敵は、飛行機の外にいるのだろうか。もしくは、胃の内にいるのだろうか。輝く観覧車が通り過ぎてゆく。海は何も語らなかった。まして夜の海は何も吐き出
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