あきのあお/紫音
夏の蒼が秋の青へ
パステル絵の具を撒いたような
明るく ちょっとポップな
空
広げたフトンで
大きく深呼吸
秋の匂いはちょっと土くさい
まだ緑だか茶色だかわからない
隣の家の木は
いったいなんて名前だろう
大きくて広がっていて
でも
空に手を伸ばすよりも
土が恋しそうな木
そういえば
夏は あの木から
草の青い匂いがしたんだっけ
それとも
庭から
もうすっかり匂いは乾燥して
少しカサカサ音がするんだ
おかげで部屋の中まですっかりカサカサで
フトンは乾くけど肌もガサガサで
ついでに咽も水分足りない感じで
こうやって年をとっていく
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