あ、もう 秋/水町綜助
あああ最終電車
きょうもよくのんだな
さいきんのみっぱなしだよな
おまえ
ねむいよな
ああ鼻のおくが
ぶどうのにおいがすんだな
いいにおいだな
となりの席のやつが
ごち
ってがらすにあたまぶつけたよ
いたそ
でもきもちいんでしょ
あんたがどんだけのんだかしんないけど
おれはもう
たくさんのんだよ
およげるくらいとか
いわないけど
この残暑を
残った日差しの
洗濯物のほてりを
さますくらいにはのんだよ
ぼくのうちにはあとすこしだ
よく電車のあるうちに
かえり支度できたな
えらいっ
えらくない
ぜんぜんえらくないよおまえ
でもだめでもないな
だめじゃないよ
だめだよおまえって
自分にがつんといいたいな
あああたまがあったかいな
しゅうしゅうあったかいな
だからすきだよ
こんな不安なよるでも
あ、秋がくるな
むしがないてら
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