小春/見崎 光
 

幾つ数えたか
小春の
日和に
秋桜一輪


片足を無くした日を
覚えてはいない
忘れた方が幸せな事と
知ってか知らずか
教わらなくとも身に付けていた


幾つ零れたか
小春の
日和に
葉が一舞


片足が器用に捉う日を
疑いはしない
覆しのなかに自由はあるのだと
感覚が会得した術を
知恵と呼ぶに相応しい


幾つ辿れるか
小春の
日和に
不苦労のまばたき





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