草原の夜/
清水勇介
猫が月を見ている
月も猫を見ている
光に流された草原の
嗚呼、あれは
光に流された草原の
最後の輝きだ
君と僕が消えてしまってから
いったいどれくらい経つのだろう
二人の涙に夜と草原は溶け合って
悲しみを美しさに変える
最初の輝きだ
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