創書日和「抱擁。」/狠志
 
どうせなら、何にも見えないくらい真っ暗になって欲しい。

どうせなら、何にも聴こえないくらい澄んだ空気に触れたい。

真夜中の公園でも、街の外れでも。

誰も居ない学校でも、夢の中でも。

どこにいっても、そんな空間がなくて諦めた。

けど、そんなトコがあったら良いなって願ってるよ。

どこまでも耳を澄ませば、遠くの君の声も聴こえそうで。

少し、どきどきするんだ。


風が、すっと僕の横を通り過ぎた。


どうせ叶わないなら、君にアイに行こうか。

どうせ叶わないなら、ね。

今日もまた、耳を澄ますよ。

夜の闇に、包まれながら。

どきどきが、消えるまで。


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