ピアノ奪取/
じゅらいち
中2だった俺は
小6の妹の弾く
「貴婦人の乗馬」
大嫌いで、
背中を蹴飛ばした。
妹は泣きながら
ピアノ弾いていた。
髪の毛を引っ掴んで
妹からピアノを奪取した。
母が怒った。
淳一、何しとるんや!
俺は食器棚のガラス戸を
拳でぶち破り、
手の甲から血が
吹き出た。
俺は拭おうともせず、
俺のものとなった
アップライトピアノを弾いた。
「ワルトシュタイン」
白鍵が血まみれになった。
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