月の光/yangjah
誰かを
包み込むのは
喜びだと知る
正午をすぎて
やっと食べ物を口にする
それでも
何かがしっくりこなくて
ピアノを弾く
ピアノを弾きながら歌う
からだが楽器になる
瞬間がつらなる
ドビュッシーの「月の光」を弾く
子どもの頃
ショパンの華やかさに惹かれる
中学生になった時
ドビュッシーの豊かさにうっとりする
今はもう指が動きを忘れてしまって
はじめの部分だけをくり返し弾く
最初の和音を発する瞬間
鍵盤から指を通って
からだいっぱいに甘い時空が
響き渡る
Lunatic
月は静かで狂う
その甘い光の調べを
全身に浴びる
誰かが
わたしのからだを使って
泣きたいのなら
わたしは
ただの楽器になればいい
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