おんじょうの人/蒼木りん
 
死ぬことのように思え

命綱を切れないでいますね


時が止まるような

たとえば

物言わぬ生命を見詰めているのがすきだったあの人と

「『ひとりで生きられたら』なんて 

 いま ひとりじゃないから言えるんだよ」



皮肉を言われた

なんて話から

甘えと疲れについて

とりとめもなく話し 打ち明けあって 

楽になれたら


叶わぬことも

また ここで生きるには

意義あることになっているのでしょう

意味を付けなければ

明日が来る理由がない


うわべだけの人への情愛ではなく

あなたには

心の深さを感じるんですよ

その感覚を

信じてはいけませんか?



こんな夜に

「はじめまして」と逢っても 

すぐに

素直に溶け込んでいけそうなんです

あなたの

その温かい懐に



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