怠惰/
岡村明子
恋を忘れ愛を忘れ、待つという感情もなくしてしまった
みにくく肥えた腹には怠惰がつまっている
夢の中で私は何度もナイフを腹に突き立てる
中からナイフに貫かれて出てくるのは
こひびとの胎児 その膨れたあたま
黄色い液体がとめどなくあふれるまま
私は頬を浸して甘美な気分になる
私は明日に期待する だから今日努力しない
あらゆる筋肉を弛緩させて
時が止まるのを夢見る
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