祈り−「存在の彼方へ」を読んでみる3/もぐもぐ
 
「戦争」という過激な言葉に導かれて「存在の彼方へ」というこの本を読んできた。まだ始まったばかりであるが、語り手であるレヴィナスが持ち出してくる諸概念は、余りにも、特殊な、常軌を逸した言葉であるように見える。
読み始めるたびに眩暈を抑え切れないこの書物は、確かに、「砂嵐の書物」「暴風雨のごとき書物」というのにふさわしいのかもしれない。

一旦、頭を冷やしてみよう。砂嵐の中で迷子になっては、たまったものではない。

読み手である私の関心から纏めてみる。

「戦争」。これは「戦い」と訳した方が良いだろう。「生きることは戦いである」。レヴィナスが考えているのはこの命題だ。
これは問題ない。
[次のページ]
戻る   Point(1)