ティッシュ詩集/小池房枝
ポケットティッシュに
詩を印刷して配ったらいい
一枚一枚にでも
広告の裏紙部分だけにでも
やる気ないときは
通りすがりの一人一人に
二ついっぺんに無言で突き出したりね
それでそれもらった人は
それティッシュだから使うでしょう
鼻かみたいとき
鼻水でそうなとき
何か書いてあればつい読んでしまうのはヒトの性で
鼻かむの一瞬間に合わなかったりして
逆恨みを買うそのポエム
その現代詩、一行詩、一行物語、題名だけの詩
ながしそうめん
恨まれようと
くすっと笑われようと
読んでもらえたらうれしいよね
こぼした牛乳ふきとってポイでも
トイレに流されてさよーなら
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