深夜のコンビニバイトと宇宙の言葉/不可思議/wonderboy
 
たぶん、あの夜の、ファミリーマート狭山台南店は
俗にいう時間のねじれに迷い込んでしまったせいで
風に飛ばされたトランプみたいにいろんな感情が
それは、言葉というフォルムをまとう前の姿で、むき出しで
店中に散らかってしまったんだと思う。

太陽系、第三惑星、地球の、ファミリーマート狭山台南店の
八月二十一日は、あったはずの記事を探しても探しても
見つからないときの雑誌みたいに、宇宙空間に放り出されてしまった。

どこかに消えた八月二十一日というエピソードの1ページは
長い時間(それは僕らの時間感覚から言えば「永遠」と言ってしまってぜんぜん差し支えないほど長い時間)宇宙空間を旅し
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