人殺しのカクテル/不可思議/wonderboy
 
人殺しのカクテル

絞め殺した女の子の幽霊と交わる
ブルーレイよりも鮮明な快楽へ導く
一字一句なぞるようにディック握る手つき目つき
突き出した唇の内に住む堕天使
精神と生と死を整頓したいがために
ビデオカメラセットし、ことに及ぶベッドシーン
しれっとするも幽霊とは思えない舌使い
悪戯に微笑む顔に興奮を隠せない

そもそもあれは殺人と呼ぶには静か過ぎた
驚かすも何も彼女は一言も発さなかった
僕といえば慣れた手つき初めてなのに躊躇せずに
自然に、不自然なほど自然に首を絞めた
湿ったシーツの上で硬くなったその死体を
額に汗しながら土を掘って山に埋めた
愛とは死の向こう側
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