空白/
 

また
てのひらの上からこぼれた
また
確かめる前に
こわしてしまった

すこしのためらいを
みぎの目にのこしたまま
ときが 
ときがたつのを待っている

やがて 
いつものように ひが暮れて
新しい  がやってくる
途方もなくおおきくて
ひとり では
少しきびしい  が



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雨のなか
深夜 ぬけだして
(どこへ) ぬけだして
(どこかで) 立っている
あのうしろすがたが
いまも 目にやきついている

てをつなぎたいのに
何をさしだせばいいのかわからないまま
ただ 雨にうたれるのが 好きだと そう思っていた



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