現代詩は難しい?/いとう
度と起き上がらなかった。
次は同じH氏賞つながりで、
山本純子さんの「あまのがわ」という詩集から「牧場にて」という詩を。
牧場にて
たんぽぽと
はこべと
なずなを花束にして
やぎに贈ろうとしたら
やぎったら
うれしがって
ずんずん近づき
なんどもわたしの足を踏んづけた
雲をながめて野原を歩き
小川ではだしになろうとしたら
革ぐつのそこにもここにも
やぎの足あと
春の花束は
なんてすてき
とハートの形の足あとが
そこにもここにもつけてあった
次。北川浩二さん。
詩学新人で、ミッドナイトプレスから
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