なきながらなきがらになりながら/楢山孝介
 

なだらかな坂道を
だらだらと歩いている
なさけない言葉たちを
だらしなく発しながら
なまめかしい誘惑には
よだれを垂らしている

なよやかにしおれているふりをしている
なんとなく日々を過ごしている
ないことあること触れ回っている
なみなみとなみだをながしている
なりたくなかったものになってしまった
なれないことになれてしまった

なまなましい日々を
よだれを垂らしながら
なよやかにしおれながら
だらだらと過ごしている
なきながらなきがらになりながら

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