想い出横丁一丁目。/哀詩
やさしい虚無感。
それを今感じている。
何かしたいのに何もできないお昼。
ただ甘えただけの自分。
わたしはギターに触れる。
わたしが過去踏み割ったそのボディから
ネックまでに指をなぞらせる。
そして知っている曲を弾く。
禁じられた遊びの指運びがうまくいかないので、
いらいらする常も今日はない。
弾けないのならやり直し、
それか見過ごし
気が逸れたらピッキングで弾く。
爪の表面が傷付く。
液を塗ってその上から補強のマニキュアを塗る。
そして弾く、
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