天体顕微鏡/K・フラグメント
 
錆色、妖水、試験管。
この夜空、その一滴で、
麻痺させるのは誰。
桃源郷の、咽び泣き、
高速道路を、やって来て、
それから何処へ往くの。

透明な静謐は、
宇宙の彼方。

星にすむ、死者たちよ。
わたしが見えるか、
教えてほしい。
殿む空気を愛す。
光がないから目を閉ざす。
塵と喧騒の海底で、
小さな夜となったわたし。
それでも、
重力に耐える赤い血が、
心臓を通過した。
古いドアの隙間、差し込む光、
照らすはず、眠い少女の頬。
悪夢が覚め、汽笛が鳴る、
あの戦慄の瞬間に。



幻惑、白壁、願い箱。
くすぐられた、思い出が、
映し出されて
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