隙間/小原あき
 
初めて会う人の顔の真ん中に
或いは胸の真ん中に
おへその辺りに
とにかくその人の中心線に
隙間がないかどうか
確かめる
それは
ある時はボーリングの球くらいの大きさだったり
ある時は米粒にも満たない大きさだったりする
とにかくその隙間が見つけられた人とは
わたしは一生縁を切らないだろう


それを発見したのは中学生のくらいの時だった
両親はもちろん
姉にも茶碗くらいの大きさの隙間があった
クラスメートで話をしたことのある子は
すべてその大きさは様々だが
隙間があった
まったく話をしたことのない
ただのクラスメートには
あのころ両眼2.0だった視力でも

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