言葉が生まれる場所 魂の行方/飛鳥 彰
 
「言葉が生まれる場所 魂の行方」
                  


おおきく羽根をひろげて色を放射する孔雀のように
深い色合いで水をたたえている湖に
天上からこぼれおちるやわらかい光が満ちているのを
夏のたそがれ丘の上から老いた詩人と少年は見ていた

少年はありのままの姿を見透かされているのに
それでもなぜか丸ごと許されているような安らぎを感じている
老いた詩人は湖を指さしながら言った
「すべての生き物は身体と魂でできているんだ

死んで身体は消えてしまったとしても
魂は永遠にこの広い宇宙の海を旅し続けていくんだよ
ひかるひとつの星の航海者として ひとりの永
[次のページ]
戻る   Point(1)