砂場あそび/つばくらめ
どもと違って
決して領土を広げようとはしない
線の引き方を覚え、
陣地内に、余計な荷物を持ち込んでしまった分
今の陣地を守ろうとする
傷がついて、折れかけている棒きれを使って
より濃い線を引く
実に汚い線を引く
それなのに
彼らが最も嫌うのは
独りであること
入ってきて欲しいと思いながら
それぞれの陣地で
みな堅く体育ずわり
入ってきて欲しいと思いながら
それを伝えず
伝える術を持たず
一向に動かない相手を見つめ
いつしかまた罵倒が始まる
気がつけば
引いた線の窪みから
得体の知れない植物が湧いてきて
長いツタとなり
自分と相手の間を塞ぐ
暗い陰が迫ってきて
聞こえるのは怒声だけ
耐えかねて耳を塞ぎ
ふと、空を見上げる
ツタはもう上まで伸びきって
太陽すら隠そうとしている
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