肌色の月と塾講師/セキラボ!
だ定冠詞「a」の説明がうまくいくのかどうか
どうしようもなく怯えているのだ
同僚や部下や上司が来る
祭りのような授業準備
俺はゆっくりとまぶたを閉じる
生徒が来る
着席する
出席を取り
ノートを開かせて
一人一人をゆっくり見渡す
誰に当てるかはもう決まっている
そいつの眼を見る
反らすその刹那に
当てる
チャイムが
鳴る
生徒の騒ぐ余韻が響いて
俺はスーツを着込む
俺は塾講師なのだから
ぼんやりと月が浮かぶ
君の輪郭に似ている
教室の熱気が
あふれでそうな夜だ
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