肌色の月と塾講師/セキラボ!
ワイシャツに袖を通し
カーテンを開ける
陽射しがこれみよがしに降り注ぐ
俺は塾講師だ
自転車に乗り煙草を吹かし口笛を吹け
汗が滲む
郊外型スーパーの前
中学生が横並びに歩いているのを
巧みに避けて思わず注意する
会社には一番乗りで
パソコンのスイッチをつける
タバコを一服
クーラーの温度をこっそり下げる
(あるいはもうひとつのクーラーのスイッチをつける)
ああ、頭に繰り返し浮かぶ授業のイメージ
そうして怯えている、のだ
いつも生徒の前でテンションをあげあるいは
突然嵐のように怒り出してみたり
ただ定
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