濁流/士狼(銀)
 
(ゼロ
僕は欠陥品である、と仮定する。
少年少女、互いに確かめ合うのは傷口。証明の始まりを上手く書き出せないから存在を不安に思う。ティーンエイジャー、
違う!
そんな括りでは収まらない。声を枯らし、破片を強く握りしめたら薄い静脈から赤く滴るような、繊細なカテゴライズをずたずたにする。
例えば鉄塔に落ちた雷が焼き尽くした、そういった細胞や神経の類、集合体。僕という宇宙の中で繰り返される生と死。
そして惑星はいつか死滅する。
月に兎がいるかどうかは問題でない、ただ臍の緒の先を追いかけているだけなんだ。
僕ではない宇宙の鼓動、その先にいる、誰か。


そう、この行間が指し示すもの。
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