さざなみと吐息/笹子ゆら
 
冷たい海にさらわれるような心地で
あなたを求めてみたら、きっと
わたしたちは幸せになれるのだろうなんて
下らない戯言を呟いてみた

眠れば 夜を越えて 朝になる
(溺れる前に息を止めて、)
待って あなたの嘘 消してよ

奇麗になんてなれるわけがないから
わたしはそうして言葉を切り取り貼り付けて
抱きしめ離れないようにする
沖にまで流れてしまわないように


漂い続けたら 次はどこに行こう?
繕い続けたら 次はどこに行こう?


切れ目はないみたいだけど
すぐにでも解けてしまうだろう
剃刀で線を引いたら
永遠をわすれてしまう

あなたの台詞が酸素に融けてゆく
……終わりたくないのに


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