光陰/フクスケ
 
古いエレベーターから
押し出される
と 瞬間
何かとすれ違った
懐かしい後ろ姿を
感じながら
会場に入ると
過ぎ去る時間のように
たたずんでいた
透明な光の重なり

前髪と瞳
の わずかなキョリ
が 美しい

光陰――
緩やかな沈黙
すれ違った
誰かの
あの時…

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