八月の絶唱/飛鳥 彰
 
のなかに詩(うた)を叫ばんと


いま在(あ)るは
生まれたる日より生命の
詩(うた)を紡がん使命のままに


幾山河
踏み越えきたる君なれば
苦悩つきぬけ歓喜に至れ


草に伏し宇宙(そら)をあおげば
銀河なる星の海ゆく
詩人(きみ)は航海者(たびびと)


きょうは君
三十二歳の誕生日
詩(うた)の帆をあげ舵輪を回せ


詩の船を浮かべて走れ
運命の扉を開くのは
思いのままに


われ祝す
君が船出のこの記念日
いざや詩(うた)はむミューズのごとくに


しきたりを守らんほどに
疲れたる君が顔(かんばせ)
浮沈の色あり

[次のページ]
戻る   Point(1)