八月の絶唱/飛鳥 彰
ワレモコウ
赤き毛糸の帽子のごとくに
すいすいとトンボ飛び交う八ヶ岳
虫取り網と
カゴをもつ子ら
果実にはカギ形のとげありいまは
水引に似たる
キンミズヒキの花
夏山の林の日陰に
咲くというミヤマモジズリ
むらさき匂う
楕円形の葉も青々と
すがすがしミヤマモジズリの
ねずれずに咲く
キジバトはロビーの前の庭に来て
餌をついばむ
カワラヒワとも
そぼろふる雨に濡れたる
白樺の木肌目に染む
乙女さながら
短歌 「アップルパン」
キミや知る
マクドもロイホも食べ処
知らぬはおれの昭和のあたま
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