八月の絶唱/飛鳥 彰
 

文月終わる今日のこの日に


薄紅のこうべを垂れて咲くごとく
我もかくあれ
サルスベリの花


仕事終えチャリンコこぎつつ
坂道をのぼりついたら
あら百日紅


潮風と朝日にかがよう
サルスベリ
空は底抜け薄紅ゆれる


うたた寝を嵐のごとく襲いきぬ
夏雷のあとに
サルスベリ咲く



短歌 「八ヶ岳旅愁」  


白樺の伸びる芝生に
ひかり射す木洩れ日あわく
木立の影舞う


コナシの木
花にもまさるこの夏は
みどり噴きあげ 思い溢るる


雲海に遠くかすむのは
男山 並びいたるは
天狗山な
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