マリオネット/
星月冬灯
私はマリオネット
自由のないマリオネット
細い 細い
糸に繋がれて
ご主人様の言いなりに
人々を笑わすために
創り出された幻の命
心臓なんてない筈なのに
涙なんてない筈なのに
なぜこの心は
痛むのだろう
今日も私は観衆の中で
ピエロのように笑われる
ただ笑われるためだけに
生まれてきた紛い物の命
ご主人様の手に踊らされて
私は今夜も踊りたくない
ダンスを踊る
私の顔は涙も流せない
能面だから
きっと誰も気付かない
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