花と土/
小川 葉
庭の土を見てる
花ではなく土を
理由もわからずに
そこに横たわる
土の言葉で
言葉などなかったように
懐かしく対話する
知らない時を生きた
土の中に
句読点をさがしたら
蟻だった
休むことなく
はたらく蟻の
巣にもきっと言葉がある
人と同じように
いつか蟻と話せるなら
その時は
頭上に咲く
花だけを見ていたい
庭の
土ではなく花を
理由もわからずに
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