Coldbark/KETIPA
 
世界の大半は陽の当たる場所
だが都市はその光を跳ね返し
無機質な日陰が支配する現代の樹海
本能を吸収する統一社会から
戦争に行かない軍隊が生まれる
集団意識をインプットされ
アイデンティティは薄れてゆく
その中に形成される人格など無い

倦怠感と惰性と慣れが渦巻く
具象と抽象の境目が消えてゆく
人工の光が冷たい闇夜に抵抗する
排除された不適応者の叫びが聞こえる


コンクリートに縛られた人々は
都市機能の一部に組み込まれ
都市という巨大工場を稼動させて
裕福な世界を影で支える
外からの圧力ではなく
内部からの不可抗力が人々を歪ませる
テロリストは心の中に巣
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